もちろん楽しいから演奏する
でも大学では楽しさを与える立場からの
演奏を学ぼう
前田昌宏
座右の銘・命・迷
読んでのとおり私が座右の銘にしているものですが、自らへの命であったり、いまだに迷いながらも試行錯誤の途中であったりするテーマ集です。
■ごちゃごちゃいわんと1時間吹け
調子悪い、リードあらへん、高い音気に入らん・・・
いろいろ思い通りに行かないことはた〜くさんありますが、忍の一字でていねいに音づくりをしよう。まとまりのある響きを意識しながら1時間でもロングトーンをすれば解決することは多々あります。楽器はいい音だそうと頑張ってくれています。
■練習のゴール地点は暗譜
「門前の小僧習わぬ経を読む」「習うより慣れろ」、いずれも自分で経験を積むことの大切さを説いたことわざですが、楽器の習熟はそう簡単に行くものではありません。これが正解、というものがない世界を私たちはさまよっているようなものですから、なかなか満足感が得られないものです。そんななか、ともかくも「練習できた!」と実感するポイントを「暗譜ができた」時点と考えるようにしています。楽譜を体で覚えることがすなわち自分の音楽ができるスタートラインに立ったことになると思います。
■どんなリードでも15分は吹いてやれ
新しいリードをマウスピースにセットする時ほど、期待と不安が入り交じるときはありません。残念なことに吹いてみてナットク、バンザイ、スバラシイ、などということは滅多とありません。しかし「そのリードを育ててみよう」という立場をとりガマンしましょう。どんなリードだって、ていねいに扱ってゆけばなんとなく自分に近づいてくるものです。少しくらい気に入らなくとも15分は吹いてみる、それを4〜5日続けることで、ようやくそのリードの本性が見えてくると考えています。
■3通り練習する
難しくってなかなかできないところって必ずあります。昨日できたのに今日またできない。さらに、技術的な問題もあるけど、思ったような表現ができないこともしばしば。こんな時は「違いがハッキリとわかるように3通り練習」します。強弱でも音色でもアクセントやスタッカートなど違えて3通り練習し、どれがいいかを自分で探し出します。
■はやくやるとできない?ホンマか?
〜 ゆっくりでもできてないんとちがう?
インテンポでできない、速くするとできない、というのは通常よくあることですが、転じて遅いテンポでも本当にできているのかを省みることが練習に役立ちます。ゴールを想定したフィンガリング、タンギング、及びその正確さが「ホンモノ」になっているかを再確認しましょう。
■すべての音符は方向性を持つ
たとえ三十二分音符がずらりと並んでいたとしても、一つ一つの音符には異なった個性があり、そのなかでも特に「方向性」を引き出すようにししましょう。音が変わる、ということはすなわちそこになんらかの意志があると考え、どこに向かおうとしているかをニュアンスとして表現できるはず。
■集中力こそが上手くなる力
極めて当然のことですが、「何を目的としていま演奏しているか」にどれだけ集中するかが上達のポイント。30分後の未来に自分はどうなっていたいかを強く意識しよう。
■楽しさを表すのにテンポ感が必要不可欠
「テンポ感」という言葉は、単にメトロノーム通りではないそのフレーズ特有のテンポが存在している、との意味で使っています。音符の集まりをじっと見つめていると、数字で示された指定のテンポとは異なった音楽が鳴り響いてくるかも知れません。いわばマイテンポ。ナットクのテンポを見つけたとき楽しさは倍増。
■ロングトーンはいつになっても大切
私もずいぶんとサクソフォンにに限らず管楽器というものに関わってきましたが、ロングトーンの大切さはいつになっても痛感しています。特にここ数ヶ月ロングトーンの時間を2倍に増やしたらなんとなくいい感じ。ただ、過去を振り返れば、時期によってこれは変化すべきことかなと思います。アンブッシャーや息の安定を求めることがロングトーン本来の目的ですから、その時の必要性に応じて、時間の増減や内容の変更を検討してはどうでしょう。
■音はそれ自体何であるかを物語っている
生活の中で何か音が聞こえてきたとします。例えば、それは水滴であったり、話し声であったり、クルマの音であったりと。仮に目を閉じていたとしても、その音の発生源は何のかを私たちは容易に推察できます。すなわちどんな事象があってどんな音が鳴るかを私たちは知っているのです。演奏においても聴衆はあなたの演奏する音がどんなものかを推察しています。その楽譜に書かれている音楽は、どのような事象から発生された音なのかを考えることが求められています。
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