学園長挨拶

学園長

相愛学園は、現在の大阪市中央区本町にある浄土真宗本願寺派津村別院の境内地で産声を上げました。今から百三十五年以上前のことです。

ご存知の方も多いと思いますが、昔から中央区本町周辺は「船場」と呼称される商業の中心地です。そこには、津村別院(通称・北御堂)と真宗大谷派難波別院(通称・南御堂)が、ランドマークとして、精神的支柱として、甍を並べています。

その船場において、近代女子教育の必要性を実感していた本願寺第二十一代宗主の明如上人が明治二十一年(1888年)に学校を設立し、明如上人の実妹である大谷朴子女史が初代校長を務めました。それが相愛女学校です。

相愛女学校は、間もなく相愛高等女学校となるのですが、その後、昭和二十年の大阪大空襲によって、物質的な学園財が灰塵に帰してしまいます。このような苦難を乗り越え、今日まで運営が続けられてきました。そして、相愛中学校・高等学校、相愛大学を有する学校法人相愛学園として現在に至っております。

相愛学園の建学の精神は「當相敬愛」です。それは『仏説無量寿経』における「自他共に是れ如来の一子なり。當に相い敬愛して、憎疾することなかるべし」との教えに依拠しており、「相愛」の名称もここに由来します。相愛学園の存在意義はまさにこの経典が説く教えを伝えることであり、この教えに基づいた教育を実践することなのです。

長い歴史に裏打ちされた校風・学風は、生徒・学生たちの自利利他の心を育んでおります。これは、学園発足以来ずっと変わることのない校内・学内の気質であり、一朝一夕で手に入らないとても大きな財産です。そのことは、本学園を訪れていただければきっと実感してもらえると思います。

これからも相愛学園は、大規模学校とは異なる、目のいきとどく丁寧な教育・育成を実践してまいります。ご支援ご声援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。