理事長挨拶

理事長

この度、理事長職を拝命することとなりました。相愛学園の維持、発展に全力を尽くす所存でございますので、関係する皆様方のご支援ご協力を賜りますよう、心よりお願い申しあげます。

本学園は、相愛大学、相愛高等学校、相愛中学校、そして相愛大学附属音楽教室の教育・研究機関を有する学校法人で、浄土真宗本願寺派(西本願寺)二十一代門主、明如上人によって1888年(明治21)、宗教情操の涵養を教育の基本目的に、大阪本町の地に相愛女学校として産声をあげました。それ以降長い年月とともに、学校教育を担う機関として知力、学力のみならず、宗教、文化、芸術の側面から人間の根源的資質への探究を求めつづける本学園の学風、校風を創りあげ、それこそを学園存続の糧、教育のアイデンティティーとして引き継がれてきました。

さて、私立学校法人を取り巻く状況は、少子化等の社会問題を背景に、学校経営の土台である教育アイデンティティーが社会のニーズとその枠組みのなかに存続し続けることが「保証」されていた時代はすでに終わりを告げたことは言うまでもありません。いつでも「淘汰」される時代へ突入していることが叫ばれ、その極めて解決困難な壁に本学園も直面しております。

そんな局面の真っただ中にあるからこそ、私たち教職員一同が、本学園のアイデンティティーの存在意義を決して見失わないこと。それと同時にそのアイデンティティーに決して甘んじることなく、社会のニーズを繊細に感じ取る感覚・分析を通して、新たな付加価値を生み出すイノベーションに果敢に取り組み、新たなるアイデンティティーを構築することこそが最重要と考えます。それこそが本学園存続の目の前に立ちはだかる壁を扉へと変える鍵となるのであります。

この扉を開けることは間違いなくリスクも伴うことでしょう。しかしながら、本学園を未来の子どもたちへとつなげていくためのリスクには積極かつ果敢に挑戦することを決意いたします。それこそが、若輩な私が学園の舵取りを仰せつかった使命であると認識し、学園運営に取り組んで参りたく存じます。